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事業とは「環境変化」に対応すること

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皆さんは、恐竜がなぜ絶滅したか、ご存じですか?
 巨大隕石の衝突によって滅んだという説もありますし、氷河期になって大きな体を維持できるだけの食べるものがなくなったという説もあれば、便秘になって絶滅したという珍説もあります。
 いずれにしても、長らく地球上を支配していた強く大きな恐竜は、環境の変化に対応できずに滅びました。
 進化論で有名なC・ダーウィンの言葉とされているものに、「最も強いものが生き残れるのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るのは変化できるものである」という一節があります。
 近年では、小泉純一郎元総理が所信表明演説の中でこの言葉を引用していましたが、変わることのできた者だけが生き残るのは、ビジネスの世界でも同じです。
 企業が倒れるには、いろいろ原因はありますが、結局のところ、環境の変化に対応できなかったときに、企業は衰退するのです。
 かつて隆盛を誇った映画業界はテレビの登場で凋落し、石炭はエネルギー革命によって石油に取って代わられました。
そんな例は、いくらでもあります。
 タイプライターはワープロになり、パソコンになりました。ミシンも昔は、嫁入り道具の一つでした。今でも工業用のミシンは残っていますが、家庭用のミシンをいつも使っている人はどのくらいいるでしょうか。
 若い皆さんでも実感できる例としては、インターネットの登場によって正念場を迎えている、あるいは、役割を終えた業種やサービスを思い浮かべてみるといいでしょう。
インターネットによって企業が直接情報を発信できる、あるいは、顧客が自ら情報を集め、企業と直接やりとりができるようになると、いわゆる情報仲介業や代理業などの存在価値が揺らいできます。
 ちなみに、過去に衰退していった企業や商品は、無能だったわけでも、真面目にやっていなかったわけではありません。
 賢い者が揃っていても、お金があっても、いくら真面目にやっていても経営環境の変化に対応しきれなれば(対応が遅れると)、やはり衰退してしまうのです。
 その意味で、企業とは「環境変化適応業(環境対応業)」と言えます。経営環境の変化に適応し、自らも変化していくのが仕事なのです。(図6)
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