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水面下で活発化しはじめた「環境基本法」

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この二つによって企業のコスト負担がものすごく大きくなってきています。これは緩まることはないので、「環境基本法」と「循環型社会形成推進基本法」は、ぜひ覚えておいてください。
たとえば、テレビを買い替えるときに、古いテレビは廃棄するわけですが、町の電器屋さんに勝手に頼んでも、持っていってもらえなくなりました。無認可の業者が勝手にお客さんのところから持っていけません。きちんと認可を受けた業者が、「家電リサイクル法」に基づいて処理をしなければなりません。
対象とする家電の流通経路を生産から廃棄まで確認できるようにすることをトレーサビリティ!と言いますが、こうして全部が?ながるっていくわけです。この法律ができることによって、ビジネスの流れとトレンドが大きく変わってきています。
環境基本法は、循環型社会への憲法宣言とすれば、これらはビジネスも変化させますし、ただ儲ければいいという企業は存続できない、市場から退場を余儀なくされることを示唆しています。
CSR、コンブライアンス重視などと連動しますし、今のビジネス企業は大きく変わらなければならないというシグナルを環境基本法に見ることができます。また、このような流れは、ビジネスモデルに影響をおよほしつつあります。私が体験した事例でも、新品から中古ビジネスへのシフト、設備投資の中古化、(新設も中古で行うとコストが安く、早くビジネスが立ち上がります)。新品を扱うと儲からないが、中古は儲かるという例をずいぶんと見ました。
新車販売は、ディーラーは儲かりませんが、中古車販売は利益率がいいので、利幅がとれます。流通だって変化して来ます。ですから、ビジネスのキーワードを「循環型」「リサイクル」としただけで、私たちの発想も変わり、新しいビジネスのヒントが出てくるとは思えませんか?
余談になりますが、「かれせん」といって年寄りを好む若い娘も増えていると言います。これだって、循環型社会の移行なのでしょうか。まあ、これは半分冗談ですが。
このように「環境基本法」によって、まだ表面化しないものの、水面下ではものすごく社会の変化が起こり始めています。ほとんどの人は気がついていませんが、間違いなく世の中が「環境基本法」に記されている方向へ動いていると、私は考えています。

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