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環境が悪化すれば企業行動に自浄作用が起こる

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作家、山本七平さんの『日本人とユダヤ人」(oneテーマ幻/角川新書)には、「日本は水も安全もただの国」と書いてあります。ところが、残念ながら最近は事情がずいぶんと違ってきています。水は石油より高く、空気もお金になる時代となりました。排出権ということになれば、空気の売買も出てきます。
環境がお金になるというものの、クリアする問題や矛盾もとても多いと言えるのです。企業がコストさえ合えば、何でもビジネスにすると言っても、一方で「環境を守りたい」という人間の本能も働きます。
ですから、いつの時点かで環境が悪化しますと、企業行動にも自浄作用が起こるのです。
しかし、そこにいくまでには時間がかかります。環境破壊、CO₂削減といったばく然としたテーマだけではすぐ身近なものになりません。
たとえば、「このまま環境問題を放置しておくと空気を吸った途端に、CO₂がものすごくて酸欠で倒れる。だからボンベをつけて歩かなければいけなくなるかもしれませんよ」。こんな話を誰かがしても「それは大変ですね」と答えるものの、まだまだ現実味がないために危機感を抱くことはありません。「環境を守らなければ1」と口では言いつつ、日ごろはすっかりそのことなど忘れて、私たちは暮らすことになります。
このように日本国内の企業に環境汚染問題が浸透していくまでに時間がかかるのが頭ではわかるものの、さらに現実味がない問題となればどうなのでしょう。ちょっと考えても天文学的な時間を経なければならないのではないでしょうか。ましてや全世界の企業がそうした意識を持つようになるまでには、相当な時聞が必要になります。

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