はじめに
「007は二度死んだ！」でも、「経営者は四度死ぬ！」
起業と言えるかどうかわかりませんが、私が会計事務所をスタートさせて、三七年も経ってしまいました。
その間、商売柄数々の企業経営者に会ってきました。それこそ大小関係なく、ともかくトップと会ってきました。
私自身最初は、会計の専門家としてスタートしました。
が、スタッフが増えてきますと、私自体がマネジメントを覚えなければなりません。
幸い、私は経営書を読むのが大好きでした。実際の経営にも興味がありました。
逆に、従業員が増えてきますと、自社で実験する場ができたという幸運？ にも恵まれました。
そして、あっと言う間の三七年です。でも、いまだに不十分です。ビジネスはきりがありません。
トップ次第で、大会社さえも変わるという現実を、山ほど見てきました。
ましてや中小は、トップと会社は同義語です。
私見ですが、トップは、三年でマイナーなモデルチェンジ、一〇年でフルモデルチェンジをしないと生き残れない、こう、心底思っています。
会社も同義語です。
ユニクロの柳井正会長は、「売り上げが三倍になったら、自社を大きくチェンジしなければならない」と言っています。
変化できなければ、死です。老化とも戦わなければなりません。
こんな英語があります。“You can’t teach an old dog new tricks”（古い犬は、新しい技を覚えない）
老若のスタッフ、幹部いずれも、変化させなければ、衰退か死です。
007は二度死にました。私は、経営者は、その倍の四度は最低でも死なないといけないと思っています。
さて、弊社（辻・本郷 税理士法人）も法人化（税理士法人設立）して、一〇年経ちました。
弊社も、節目の年になりました。大きな変化、変革が必要です。
今後変化できなければ、死が待っています。問題も山積です。
ですから、弊社も第二創業と名づけました。
うまくいくかどうかは、わかりません。
ビジネスは、正解がありませんからね。
ともあれ、本書は、私の経験を書きました。懺悔の書（笑）でもあります。
決して指南の書ではありません。迷いの書かな（笑）。
いつもながら、東峰書房の根本寛之さんには、大変お世話になりました。
大変ありがとうございました。
二〇一四年二月 本郷孔洋
